日本食品科学工学会誌
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雰囲気湿度条件および出荷資材がナス果実の品質に及ぼす影響
池田 浩暢石井 利直茨木 俊行太田 英明
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2002 年 49 巻 7 号 p. 462-467

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抄録

雰囲気湿度条件および出荷資材が夕方収穫したナスの鮮度に及ぼす影響を検討した.
雰囲気湿度を高く保つことで,ナス果実の減量率は抑制され,果実硬度は高く保たれた.これに対して,予冷が夕方収穫したナス果実の鮮度に及ぼす影響は認められなかった.夕方収穫したナス果実を,ポリエチレンフィルムを内装した普通段ボール容器か,有孔ポリプロピレンフィルム袋で個包装した後普通段ボール容器,またはポリエチレンフィルムを内貼りした機能性段ボール容器に詰めると,雰囲気湿度を高く保つことができた.これらの場合,現在の出荷体系である早朝収穫し,紫色の油紙であるパラフィン加工紙を内装した普通段ボール容器で出荷したものより,鮮度保持効果が高かった.ナス果実の蒸散量は,高湿度条件下および低温条件下で抑制されたが,その効果は高湿度条件下でより顕著であった.

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