抄録
2014年11月22日に発生した長野県北西部を震源とする地震(M6.7)では,神城断層に沿う地表各所に変位が出現した.われわれは神城断層の地下への延長を検討するために,最も被害が大きかった白馬村堀之内地区で地表の変位を横断する測線でのチェーンアレー方式による微動アレー探査と2地点で多重アレー方式(SPAC法)による探査をおこなった.
地表変位をはさむ延長117mのチェーンアレーにより得られた位相速度断面と近傍でおこなわれた既往のボーリングおよびS波反射法地震探査から,地表変形につながる低角度の断層と湖成堆積物の変形構造が明らかになった.
神城断層の傾斜方向にあたる東側でおこなった2地点での微動アレー探査により,最大800mまでの深度のS波速度が解析され,各速度層は全体に西側に向かって深くなることが明らかになった.
地震の余震分布や微動アレー探査による速度層の変位を説明するために,微動アレーをおこなった2点間に高角度の逆断層が想定され,神城断層はその前縁派生断層である可能性が示唆された.