市立大町山岳博物館研究紀要
Online ISSN : 2432-1680
Print ISSN : 2423-9305
居谷里湿原(長野県大町市)におけるミズバショウの生活史について
日本産草本植物の生活史研究プロジェクト報告第8報
千葉 悟志尾関 雅章
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2017 年 2 巻 p. 27-34

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抄録
居谷里湿原における,ミズバショウLysichiton camtschatcense (L.) Schott の種子散布は6月下旬~7月中旬で,7月下旬に散布された種子の発芽は8月上旬に認められた.種子は浮遊した状態でも発芽し,凍結しない環境であれば,浮遊の状態でも越冬ができ,長期間にわたり,生存が可能であることが示唆された.博物館で発芽した個体は,開花までに8年を要したが,流水および水温などの生育環境が共通する居谷里湿原においても同様の期間を要するものと推測された. ミズバショウは,寒冷な地域に分布する植物であるが,本研究から,決して耐寒性の高い植物ではなく,夏に涼しく,冬に暖かい条件が整う環境にのみ,生育が可能な植物であることが,自生地を限定する要因に繋がっているのではないかと考えられた.
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© 2017 本論文著者
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