本研究は,教師の専門職的アカウンタビリティにおける保護者との合意形成に向けた連携に着目し,その影響を明らかにすることを目的とした.その結果,次のような知見が得られた. 保護者への一方向的な「説明」レベルでは専門職的アカウンタビリティを十分に果たしているとはいえない.教師が保護者ニーズに応じる姿勢を有することは,教師自身が気づかない知見を得られることになると考えられる.また,教師は保護者ニーズに加え,専門性を生かした実践を再構築することで保護者との合意形成に向けた連携が可能になる.教師が専門性を高めるためには,同僚らとのアカウンタビリティに向けた相互的な専門職的アプローチが重要になると考えられる.