脳と発達
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短報
ピボキシル基をもつ抗菌薬長期投与による低血糖の関与が示唆された急性脳症の1例
梶本 まどか松重 武志山田 健治小林 弘典山口 清次市山 高志
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2013 年 45 巻 2 号 p. 150-152

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抄録

 Cefditoren pivoxil (CDTR-PI) の長期投与中に二相性けいれんの経過をたどった急性脳症を発症し, 低血糖の関与が疑われ, 後遺症を残した1例を経験した. 症例は1歳2カ月女児. 1カ月前より感冒症状があり近医でCDTR-PIを約25日間投与した. 全身強直性けいれんを認め, 当科へ救急搬送され, 低血糖, 血中遊離カルニチン低下, C5アシルカルニチン上昇を認めた. 二次的なカルニチン欠乏症による低血糖が原因と考えた. 3病日に再びけいれんが群発し, 二相性けいれんの経過をたどった急性脳症と診断した. 症候性てんかんを発症し, 左片麻痺, 軽度発達遅滞を合併した.

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© 2013 一般社団法人日本小児神経学会
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