脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
原著論文
けいれん重積型 (二相性) 急性脳症発症の早期予測因子の検討
福岡 正隆九鬼 一郎川脇 壽井上 岳司温井 めぐみ岡崎 伸石川 順一天羽 清子外川 正生塩見 正司
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 53 巻 1 号 p. 28-32

詳細
抄録

 【目的】けいれん重積型 (二相性) 急性脳症 (acute encephalopathy with biphasic seizure and late reduced diffusion ; AESD) は, 初回けいれん時点での熱性けいれん重積状態 (febrile status epilepticus ; FSE) との鑑別が課題である. 初回けいれん直後にAESDを予測するシステムの構築を目的とした. 【方法】対象は2011年4月から2017年4月の期間にFSEおよびAESDと診断された症例で, 患者背景, 臨床経過, 初回けいれん直後の血液・髄液検査所見を検討し, 多変量解析を用いAESD発症の予測因子を抽出し, カットオフ値を算出, ロジスティック解析を踏まえAESD発症を予測するスコアリングシステムを構築した. 【結果】FSE群55例, AESD群28例. 統計解析の結果, ①発症年齢18か月以下, ②けいれん持続時間30分以上, ③Cr 0.3mL/dL以上, および④AST 42IU/L以上, の4因子がAESD発症予測因子と考えられ, これらのスコアの重みづけを行って設定したカットオフ値を用いると, 感度91.7%, 特異度65.4%であった. 【結論】初回けいれん直後に上記4項目を評価することで, 意識状態の観察を行うことなくAESD発症の一定の予測が可能である.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人日本小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top