脳と発達
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電気刺激による眼輪筋反射
発達による変化および睡眠による影響について
田中 順子
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1989 年 21 巻 3 号 p. 271-277

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抄録
眼輪筋反射 (BR) の発達による変化および睡眠による影響を検討した.覚醒時では全例R1・R2・対側R2とも導出された.R1潜時は新生児期に短縮し生後3カ月で成人値に達し, R2潜時は幼児期に漸減し6歳で成人値に達した.生後6カ月までの対側R2潜時はR2潜時に比し遅かったが, その後潜時差は少なくなりR2とほぼ同様の変化を示した.頭囲を潜時で除した伝導係数はR1・R2・対側R2とも年齢とともに漸増し6歳で成人値に達した.BRの睡眠による影響は新生児と乳幼児では異なっていた.さらに生後6カ月を境として成人の睡眠時BRパターンに変化してくると思われた.BRは小児期の中枢神経系の発達をみる客観的評価および中枢神経障害児の脳幹機能障害の診断の一つとして応用しうると考える.
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© 日本小児小児神経学会
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