オレオサイエンス
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総合論文
活性酸素種の反応の新展開
沢木 泰彦
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2001 年 1 巻 5 号 p. 471-478,468

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抄録

活性酸素種の生成と反応性について, 最近の展開を中心に述べた。三重項および一重項酸素の性質について簡単にまとめ, 三重項酸素の反応がスピン保存則によって遅くなることを強調した。過酸化水素, スーパーオキシドイオン, ヒドロキシラジカル, ヒドロペルオキシラジカルの反応性について比較した。電子吸引基を導入することにより, 反応性が大幅に向上することを示した。Xと酸素の付加物の構造と反応性について考察した。Xが炭素であるカルボニルオキシドは求核的酸化剤であり, 環状のジオキシランとは対照的な反応性である。同様にXがイオウであるパースルポキシドは求核的な反応性を示すが, アルコールが付加すると求電子性に変換する。Xが窒素であるニトロソオキシドは求電子性ラジカルとしての反応性を示す。NOx類の反応性についても重要な点をまとめて述べた。

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© 2001 公益社団法人 日本油化学会
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