オレオサイエンス
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総合論文
ポリペプチド分子膜の高度配向化と自励振動
木下 隆利毛利 安宏
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2001 年 1 巻 9 号 p. 943-948,927

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抄録
疎水性ポリペプチドの分子鎖末端に分子認識能を有する親水性β-シクロデキストリンを配した両親媒性ポリペプチド (PMGn-CyD;重合度n=19, 24, 34) を調製し, 油/水界面における同単分子膜の構造及び機能を評価した。界面圧-面積 (π一A) 測定の結果, PMGn-CyDはn-ヘキサン/水界面で安定な単分子膜を形成し, 界面圧を制御してPMGn-CyDを垂直方向に配向させることを可能にした。さらに, PMGn-CyD分子を界面に対して垂直方向に配向させた状態で, 水相にCyDのゲスト分子である2-P-トルイジニルナフタレン-6-スルホン酸カリウム塩 (TNS) を添加したところ, 界面圧の自発的な振動が誘起された。この振動現象に対し, PMGn-CyDとゲスト分子が結合・解離を繰り返すことにより, 膜ドメインがn-ヘキサン/水界面付近を周期的に移動するという機構を提案した。
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© 2001 公益社団法人 日本油化学会
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