オレオサイエンス
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特集総説論文
超臨界二酸化炭素中での界面活性剤の自己組織化挙動
鷺坂 将伸吉澤 篤大竹 勝人
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2010 年 10 巻 5 号 p. 167-177

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抄録
超臨界CO2は, 無毒, 不燃性, 環境調和, 低コスト, 豊富に存在するといったメリットから, 10年以上も前から有害有機溶媒の代替として多くの注目を浴びている。超臨界流体の特性 (調節可能な溶媒力, 速い物質輸送特性, 低表面張力など) も超臨界CO2の特長として加わり, 超臨界CO2をベースとした実用化研究はかなり進められている。しかし残念ながら, CO2は, 無極性でかなり弱いファン・デル・ワールス力を持つため, 不揮発性の極性物質に対して貧溶媒である。この事実が, 超臨界CO2の合成, 抽出, 材料加工などのプロセスへの応用の壁となっている。この問題の解決手段の一つとして, 超臨界CO2に溶解する特別な界面活性剤を利用し, 高密度の超臨界CO2中に極性溶媒 (たとえば水やイオン性液体) をコアとした逆ミセルの形成がある。この物質態は, 超臨界CO2の魅力的な特性に対して極性溶媒の特性も備えられているため, 万能溶媒としての機能を持つことが期待される。本総説では, 超臨界CO2中での界面活性剤の自己組織化, とくに水/超臨界CO2マイクロエマルションの形成に焦点をあて, それらに関連する研究を紹介する。
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© 2010 公益社団法人 日本油化学会
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