オレオサイエンス
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特集総説論文
高度不飽和脂肪酸および脂肪酸結合タンパク質の神経新生に対する役割
大隅 典子
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2011 年 11 巻 10 号 p. 359-363

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抄録
脳は乾燥重量の約60%が脂質であり, 中でも, ドコサヘキサエン酸 (DHA) やアラキドン酸 (ARA) などの高度不飽和脂肪酸 (PUFA) が多く含まれている。これらは必須脂肪酸としても知られ, 乳児の脳の発育に重要とされ, また成人においても記憶力や認知症の改善, 統合失調症の症状緩和の効果があるなど, 注目されている。細胞質内ではこれらのPUFAは特異的に脂肪酸結合タンパク質 (Fabp) と結合し, 細胞膜へ輸送されたり遺伝子発現に関わる。本稿では, 神経生物・行動神経科学的な知見から, PUFAおよびFabpが, 脳の発生・発達および, 生後脳での神経新生への寄与について紹介する。
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© 2011 公益社団法人 日本油化学会
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