抄録
本稿では機能性ナノ粒子をさまざまな有機溶媒やポリマー材料中に均一分散させることを目的とした微粒子分散プロセスを紹介する。表面修飾プロセスとして主にシランカップリング剤を用いた表面修飾法と, アニオン性界面活性剤を用いた表面修飾法に着目し, 多段階表面修飾や物理的解砕プロセスを併用した事例を概説する。シランカップリング剤を用いた表面修飾では, 溶媒種やポリマー種に応じて複数のカップリング剤を用いて表面状態を制御するプロセスや, 多段階表面修飾によりナノ粒子の分散安定化が可能である。また, アニオン性界面活性剤を用いた表面修飾では, 疎水鎖と親水鎖に分岐したアニオン性界面活性剤を用いることで, さまざまな有機溶媒やポリマーへのナノ粒子の分散安定化が可能である。また, これらの表面修飾と物理的解砕処理の組み合わせによるナノ粒子の分散プロセスについても紹介する。