オレオサイエンス
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総説
油中水滴エマルションを用いたジャイアントベシクル型人工細胞の器づくり
豊田 太郎伴野 太祐藤浪 真紀
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2012 年 12 巻 2 号 p. 77-84

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抄録
ジャイアントベシクルとは,1 μm 以上の直径を有する袋状脂質二分子膜であり,その膜構造や大きさが細胞に近いことから,生体膜モデルとして注目されている。本論文では,1 つのジャイアントベシクルを構成する二分子膜の枚数(膜多重度)が1 に近いジャイアントベシクルを大量に作製する手法として,油中水滴エマルション(W/O エマルション)を遠心沈降する方法を紹介する。この方法により,ジャイアントベシクルを新たな生体模倣反応場や生体イメージングプローブとして用いることが可能になりつつある。ジャイアントベシクル内での遺伝子発現反応により膜タンパク質をジャイアントベシクルに埋め込んだ研究や,生体イメージングの近赤外蛍光色素を配合した組織マーカーの研究を紹介し,ジャイアントベシクルを用いた人工細胞研究への展開を解説する。
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© 2012 公益社団法人 日本油化学会
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