オレオサイエンス
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特集総説論文
超臨界流体の溶解力と抽出技術への応用
佐古 猛岡島 いづみ
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2012 年 12 巻 6 号 p. 241-248

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抄録

超臨界流体抽出技術は,対象物の熱変性や対象物中への有害な有機溶媒の残留といった問題を生じない分離技術であり,食品や医薬品関係の分離に適している。超臨界流体は大きな溶解力と高い浸透性という液体と気体の両方の性質を持っているので,とりわけ固体の天然物中の有用成分の抽出や不要成分の除去等に適している。更に超臨界流体抽出とクロマト分離や還流操作を組み合わせると,混合物中の特定成分の濃縮が可能である。 天然物中の有用物質の超臨界流体抽出の例として,大豆油,生理活性物質を含む菌体生産油脂,天然香料の分離を取り上げた。また特定成分の濃縮の例として,油脂をエステル化した後,生理活性を持つ高度不飽和脂肪酸エステルを超臨界流体クロマトグラフィーや還流付き超臨界流体抽出法で分離する方法を説明した。

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© 2012 公益社団法人 日本油化学会
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