オレオサイエンス
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特集総説論文
成長発達期における多価不飽和脂肪酸の相互作用
守口 徹原馬 明子
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2018 年 18 巻 7 号 p. 309-315

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抄録

これまでω3系脂肪酸の脳機能に関する有用性は数多く報告されているが,個々のω3系脂肪酸と競合するω6系脂肪酸の相互作用について検討した報告は少ない。我々は脂質代謝酵素の1つであるΔ6不飽和化酵素の欠損マウスと新生仔の人工飼育法を組み合わせて,成長発達期に重要な多価不飽和脂肪酸を明らかにしようとした。その結果,成長発達期の身体成長にはアラキドン酸(ARA)が必要で,脳機能の発達・維持にはドコサヘキサエン酸(DHA)が重要な役割を果たしていることがわかった。実際の生体ではリノール酸やα-リノレン酸,エイコサペンタエン酸がARAやDHAに代謝され有効性を示すことが考えられるが,脂質代謝活性の未熟な乳幼児では,両脂肪酸の直接的な摂取が不可欠である。

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© 2018 公益社団法人 日本油化学会
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