オレオサイエンス
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特集総説論文
自己乳化現象を巧みに利用した「超低密度」多孔質バイオマテリアルの創製
村上 義彦
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2019 年 19 巻 5 号 p. 183-189

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抄録

自己乳化は,非平衡状態の非混和性液体を接触させると自発的にエマルションが生じる現象である。筆者は,高分子界面活性剤の共存下で,疎水性高分子を溶解した有機溶媒(分散相)と水(連続相)が形成するo/w(oil-in-water)エマルションから有機溶媒を徐々に蒸発させると,表面高分子修飾ナノ/マイクロ粒子が容易に調製できることを報告してきた。その検討過程において,自己乳化現象を巧みに制御することによって,「一回の機械乳化」のみで「超低密度」多孔質粒子が得られることを発見した。本総説では,「超低密度」多孔質バイオマテリアルを作製する筆者の近年の研究と,今後の展望をまとめる。

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© 2019 公益社団法人 日本油化学会
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