種々の脂肪酸を導入した新規リン脂質を調製するために, リパーゼを用いたアシル基変換反応について検討した。その結果, 脂肪酸基質としてモノアシルグリセリンを用いることにより, 非水系での変換反応が可能となり, 炭素数4~18の飽和脂肪酸, 炭素数18のモノエン, ジエン, トリエン脂肪酸, EPAおよびDHAを導入したリン脂質が高回収率で得られることが判明した。また, 非水系アシル基変換反応はリパーゼによる副反応である加水分解反応をともなわないので, 繰り返し反応によりさらにアシル基変換率が向上することも確認した。