オレオサイエンス
Online ISSN : 2187-3461
Print ISSN : 1345-8949
ISSN-L : 1345-8949
総合論文
金属錯体型塩基対をもった人工DNAの創製
塩谷 光彦田中 健太郎
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 2 巻 8 号 p. 451-457,450

詳細
抄録
DNAの二重らせん構造を形成する上で, 核酸塩基問水素結合が大きな役割を演じている。我々は, 核酸塩基の代わりに金属配位子を導入した人工DNAを合成した。この人工DNAは金属イオンが存在することにより, 水素結合の代わりに金属錯体形成により塩基対を作り, DNA二重鎖構造を形成する。この人工DNAでは新しいモチーフをDNA骨格に導入することにより, 遺伝情報のアルファベットを拡張するばかりでなく, 新規な機能性分子の構築に応用できる可能性がある。
本論文では、金属イオンのナノ集積化をめざした金属錯体型人工DNAの設計や, ビルディングブロックとなる人工ヌクレオシドの合成, 金属イオンにより誘起される人工DNAの二重鎖形成について, 我々の最近の研究成果について報告する。
著者関連情報
© 2002 公益社団法人 日本油化学会
次の記事
feedback
Top