オレオサイエンス
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2 巻, 8 号
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総合論文
  • 塩谷 光彦, 田中 健太郎
    2002 年 2 巻 8 号 p. 451-457,450
    発行日: 2002/08/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    DNAの二重らせん構造を形成する上で, 核酸塩基問水素結合が大きな役割を演じている。我々は, 核酸塩基の代わりに金属配位子を導入した人工DNAを合成した。この人工DNAは金属イオンが存在することにより, 水素結合の代わりに金属錯体形成により塩基対を作り, DNA二重鎖構造を形成する。この人工DNAでは新しいモチーフをDNA骨格に導入することにより, 遺伝情報のアルファベットを拡張するばかりでなく, 新規な機能性分子の構築に応用できる可能性がある。
    本論文では、金属イオンのナノ集積化をめざした金属錯体型人工DNAの設計や, ビルディングブロックとなる人工ヌクレオシドの合成, 金属イオンにより誘起される人工DNAの二重鎖形成について, 我々の最近の研究成果について報告する。
  • 久枝 良雄
    2002 年 2 巻 8 号 p. 459-465,450
    発行日: 2002/08/01
    公開日: 2013/04/25
    ジャーナル フリー
    金属酵素は天然の優れた触媒である。温和な条件下で特異的に基質を認識し, 均一系では起こりにくい反応を可能にする。超分子の概念を用いて, これらの酵素の構造と機能を明らかにすることは, 人工酵素系の開発につながる。酵素は, 反応活性部位である補酵素と反応場を提供するアポタンパクから成る。アポタンパクは, 補酵素と基質を結合し, バルク水から隔離する役目をも担っている。人工的に金属酵素を分子設計する際には, このようなアポタンパクの特性を十分に反映した系を選択することが肝要である。従って人工酵素の構築に際しては, 2つのアプローチが考えられる。1つは, アポタンパクと補酵素の両方の機能をもつ分子を設計することである。他方は, アポタンパクモデルと補酵素モデルを非共有結合的に組み合わせた超分子系を用いる方法である。本小論では, 金属イオンを含む人工酵素の分子設計のコンセプトを示し, アポタンパクモデルとして二分子膜, 大環状化合物, デンドリマー, 天然タンパクを用いた例を挙げ, それらの物質変換機能について紹介する。
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