オレオサイエンス
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特集総説論文
今シルクからみえること-歴史有る価値の活用・将来像-
稲木 敏男
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2020 年 20 巻 12 号 p. 535-541

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抄録

日本においてシルクは,明治時代には生糸生産量が世界一となり日本近代化の足掛かりを作った。その後,変遷は有るものの第二次世界大戦後には養蚕業が日本の基幹産業へと成長した。しかし,昭和40年代以降,海外の安価な生糸の輸入,化学繊維の普及並びに需給構造の変化により衣料を中心としたシルク産業は後退している。しかしながら,シルクは繊維のみならず,UV遮蔽効果を利用した化粧品,生体電極などの医療機器,更には遺伝子組み換えを応用した医薬品など新しい観点からのアプローチが注目されている。本稿では,シルクの歴史と新しい研究動向から見えるシルクの将来像について概説する。

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© 2020 公益社団法人 日本油化学会
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