オレオサイエンス
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特集総説論文
CO2を資源として利用したポリウレタン原料合成技術
竹内 勝彦松本 和弘深谷 訓久佐藤 一彦崔 準哲
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2022 年 22 巻 10 号 p. 487-494

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抄録

CO2を資源として利用した有用化学品製造技術は,CO2排出量を削減し,地球温暖化防止に貢献する技術として注目されている。大量生産され長期間使用されるポリウレタンの原料であるイソシアネートは,その合成ターゲットとして理想的な基幹化学品の一つといえる。そして,このイソシアネートをCO2から合成するための中間原料として,熱分解によってイソシアネートを与える有機カルバメートが着目されている。本稿では,有機カルバメートをCO2から効率的かつ環境調和的に製造する手法として,我々がこれまでに開発してきた再生可能な金属アルコキシドである,ジアルキルスズジアルコキシドR2Sn(OR’)2,チタンテトラアルコキシドTi(OR’)4,テトラアルキルオルトシリケートSi(OR’)4を用いた反応について紹介する。これらの再生可能な反応剤を用いることで,実質的にアミンとCO2のみが消費され,水のみが副生成物となるポリウレタン原料合成を達成した。特に,Si(OMe)4 を用いた反応では,1 気圧のCO2を用いて,工業的に重要なポリウレタン原料(MDI,TDI,HDI)の前駆体を高効率に合成することに成功した。

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© 2022 公益社団法人 日本油化学会
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