オレオサイエンス
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特集総説論文
疎水性流体を増粘・ゲル化させる添加剤の開発
佐伯 隆貝出 絢
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2022 年 22 巻 11 号 p. 563-568

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抄録

低分子ゲル化剤は,分子量が1000以下の化合物が溶媒中で自己組織構造を形成し,溶媒の増粘やゲル化をする添加剤であり,超分子ゲルとして近年,注目されている。このうち,水系の増粘・ゲル化剤は,多くの商品があるが,非水系(疎水性流体)の商品は圧倒的に少ない。これまで増粘・ゲル化剤の発見は,偶然に頼る部分も多かったが,一方で,添加剤の分子設計指針の構築を目指しながら,開発を進めることが必要であると考える。本稿では,著者らが取り組んだ,ピロメリット酸テトラカルボキシアミドを対象とした研究を例とし,疎水性流体に有効な増粘・ゲル化剤の分子設計,レオロジー特性の評価,および反応装置のスケールアップに関する一連の研究を紹介する。

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© 2022 公益社団法人 日本油化学会
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