オレオサイエンス
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特集総説論文
機能性高分子による難水溶性薬物の溶解性向上
番匠谷 研吾大西 正俊田中 哲郎
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2025 年 25 巻 12 号 p. 515-521

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抄録

難水溶性の医薬品や食品由来機能性成分は,その低い溶解性によって液状製剤化やバイオアベイラビリティの面で課題を抱えており,可溶化は医薬品開発における重要なテーマとされている。筆者らは,機能性高分子を活用したドラッグデリバリーシステム(DDS)によって,難水溶性化合物の溶解性を改善し,その有効性および応用可能性の拡大を目指した研究を進めている。その一環として,食品由来機能性成分であるレスベラトロールおよびコエンザイムQ10にはポリエチレングリコールモノステアレートを用いたナノミセル製剤を,また抗真菌薬アムホテリシンBにはヒアルロン酸およびポリビニルアルコールを用いた点眼用製剤と,スチレン-マレイン酸コポリマーを基盤とした静脈内投与製剤を開発し,いずれにおいても薬物の溶解性や安全性の向上を確認した。これらの成果は,高分子DDSが難水溶性化合物の可溶化製剤化に資する有効な基盤技術となり得ることを示すものである。

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