2026 年 26 巻 6 号 p. 235-242
シイタケ(Lentinula edodes)の食用廃棄部分から抽出したβ-グルカンのレンチナンによって形成されるハイドロゲルについて,動的粘弾性測定を用いて真のゲルであるかどうかを調べた。さらに,ゲル化に伴うレンチナンの構造変化をNMRを用いて解析した。動的粘弾性測定の結果から,レンチナンは冷却中に6℃付近で構造変化を起こし,6℃以下で真のゲルが形成されることが示唆された。このゲルは,我々が以前報告したスクレログルカン(β-(1,6)-分岐β-(1,3)-グルカン)およびハナビラタケ由来β-グルカンのハイドロゲルと類似していた。NMR結果から,本研究のレンチナンは主鎖のグルコース単位5つごとに2つのβ-(1→6)-結合グルコース側鎖を有すると推定された。NOESY測定結果は側鎖の配向変化を示唆しており,側鎖の立体障害が減少した三重らせんの部分的な会合によってゲルが形成されたと考えられた。