オレオサイエンス
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総合論文
フラーレン脂質二分子膜の構造と電子機能
中嶋 直敏
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2003 年 3 巻 2 号 p. 83-90,76

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抄録
フラーレンに長鎖アルキル鎖および親水基を導入した化合物は, 超音波照射により水に可溶で, 細胞膜やリボソーム, 人工二分子膜と同様に二分子膜を基本とした超構造を形成する。また, 3本鎖型のフラーレン脂質から形成された超薄膜フィルムは, 二分子膜構造を保持し, 二分子膜の基本特性である相転移を有している。これらのフィルムの電子スペクトルおよびFIIRスペクトルは相転移依存性を示した。フラーレン脂質フィルム修飾電極は, 水溶液系でフラーレンジアニオン形成に至る電子移動を示すとともに, 電子移動は相転移により制御できた。またフラーレンアニオンは電解質カチオンと強いイオン対結合をすることが定量的に解析できた。フラーレン脂質は水面上で安定な単分子膜を形成し, 暗所および蛍光灯下で作成の単分子膜はLB膜として基板上に固定できた。LB膜のスペクトル特性および構造特性を調べた。
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© 2003 公益社団法人 日本油化学会
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