オレオサイエンス
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総説
食品成分と脂質代謝
井手 隆
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2007 年 7 巻 2 号 p. 51-60

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抄録
本総説ではゴマリグナンと共役リノール酸 (CLA) が脂質代謝に与える影響に関し, われわれの最近の研究結果を紹介する。セサミンとエピセサミンの等量混合物であるセサミン標品と魚油の同時摂取はラット肝臓の脂肪酸酸化を相乗的に上昇させた。遺伝子発現解析の結果, 魚油とこのセサミン標品はペルオキシゾーム脂肪酸酸化系酵素の遺伝子発現を相乗的に増加させることが示された。魚油はわずか1.5%の飼料への添加でも脂肪酸酸化活性とペルオキシゾーム遺伝了の相乗的上昇を最大限に引き起こした。エピセサミンとセサモリンはセサミンと比較して, より大きく脂肪酸酸化系酵素の活性と遺伝子発現を増加させた。吸収・異化速度の違いに基づく, 生体内有効量の違いがこの生理活性の違いを引き起こす原因と思われる。CLAをマウスに与えると脂肪組織量は大きく減少するが, 肝臓の脂肪酸合成系酵素の活性と遺伝子発現を増加させ, トリアシルグリセロールのレベルを大きく増加させた。魚油をCLA食に添加すると, 用量依存的に肝臓の脂肪酸合成とトリアシルグリセロールのレベルが低下した。同時に魚油のCLA食への添加は脂肪組織重量の増加を引き起こした。また, CLAによって引き起こされる高インスリン血症は魚油添加により緩和された。明らかに, 魚油はCLAの種々の生理作用に干渉する効果を示す。
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© 2007 公益社団法人 日本油化学会
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