耳鼻咽喉科展望
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綜説
前庭系障害と歩行異常
石川 和夫アグンスイー ナカリン工藤 香児近江 永豪
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2010 年 53 巻 2 号 p. 92-102

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抄録
歩行運動は, 人が時間をかけて獲得した社会生活を営む上で欠くことのできない重要な運動機能である。この機能制御機構に, 前庭系は深く関与しており, したがって, この領域の異常は, 歩行異常をもたらす。歩行運動の制御機構を概説するとともに, 前庭系の異常が歩行分析で如何に描出されるかについて, 我々が行って来たタクタイルセンサーシステムを用いてのめまい患者の歩行解析結果を中心に述べた。対象疾患は, 前庭神経炎, 聴神経腫瘍, 脊髄小脳変性症である。前庭系障害による歩行異常は, 歩行位相関連パラメータのうち, 主に立脚期, 遊脚期の変動係数の増加として示され, 歩行制御系の異常の程度と概ね平行した異常を示す。特に暗所下に異常が明瞭化し, 視覚入力は, 前庭障害による歩行異常を補償するように作用する。こうした, 歩行異常は, 立脚期の足圧分布曲線や足圧中心移動軌跡の定常性の乱れにも反映される。見かけ上歩行異常を見いだせない小聴神経腫瘍患者においても, 歩行異常は示され, 特に, 半規管麻痺のある症例で顕著であった。
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© 2010 耳鼻咽喉科展望会
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