耳鼻咽喉科展望
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小児急性乳様突起炎11症例の検討
赤上 由美子小山 悟石塚 洋一飯野 ゆき子
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2000 年 43 巻 1 号 p. 43-48

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抄録

小児の急性乳様突起炎は, 耐性菌の出現により抗生剤の内服では治癒せず遷延し, 重篤な合併症を伴う救急症例も出現しつつあり, 未だ臨床現場では軽視できない疾患である。今回我々は, 1989年8月から1998年8月までの10年間に帝京大学病院耳鼻咽喉科で入院加療を行った小児急性乳様突起炎11症例を経験したので, 若干の文献的考察を加え検討し以下の結果を得た。小児の急性乳様突起炎は乳幼児における急性中耳炎の初感染に合併することが多い。近年は起因菌としてPRSPが増加している。骨膜下膿瘍を生じた場合は膿瘍切開, さらに側頭骨に腐骨の存在が疑われた場合は乳様突起削開術の外科的療法を考慮すべきである。

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