2019 年 88 巻 11 号 p. 735-739
赤外線集中加熱浮遊帯溶融(IR-FZ)法は坩堝(るつぼ)不要のバルク結晶育成法の1つである.坩堝材の消耗や結晶中への混入を懸念する必要がない点では優れているが,育成中に原料と育成結晶の間の中空に形成する溶融帯が不安定になりやすい.そのため,溶融帯の安定保持には習熟が必要である.育成可能な結晶径も,せいぜい6〜15mm程度と小さかったことも大きな欠点である.しかし,赤外線集中加熱法に小さな工夫を加えることで溶融帯が安定化され,物質によってはインチレベルの口径を有する結晶まで育成可能となってきた.本稿では,育成結晶の大口径化に有効な赤外線集中加熱法を紹介する.