抄録
テトラメトキシシラン溶液に非イオン性触媒を導入してゾル-ゲル反応を行い、得られた溶液をガラス基板上にスピンコートすることによって、細孔径2nmの細孔を選択的に有するシリカミクロ多孔膜を合成した。この膜を25℃飽和水蒸気下で加湿処理したところ、超親水性が発現した。加湿処理によって未反応のメトキシ基が加水分解され水酸基となり、膜に親水性が付与されるとともに、膜のミクロ多孔構造に起因して超親水性が発現するものと考えられる。この超親水膜を150℃で熱処理すると、表面水酸基が水として脱離し超親水性が失われたが、この膜を大気中に一日放置することによって水が再吸着し、再び超親水性となることがわかった。