抄録
本講演では、ジルコニア微小ビーズを用いた遊星回転式ミル粉砕による、プロトン伝導性酸化物の微細化を検討した。
ペロブスカイト系酸化物であるBaZrO3系に本手法を適用することで、約 2 nm程度の極小サイズまで粉砕できることが小角X線散乱測定、動的光散乱測定および透過型電子顕微鏡などによって確認された。そして得られたBaZrO3ナノ粒子粉体を用いたところ、緻密なBaZrO3バルク体が1400oC程度で得られることも分かった。これは、通常の粉体を用いた場合と比較して400oC程度も焼結温度が低下したことになる。
また、本講演ではナノ粒子化で得られたBaZrO3バルク体の導電率や微構造についても詳細に報告し、さらにBaZrO3以外のプロトン伝導性酸化物のビーズミル粉砕の結果についても報告する。