1992 年 34 巻 2 号 p. 485-499
本研究は, 反回転式電動歯ブラシと手用歯ブラシにおけるプラーク除去効果について比較観察したものである。実験は顎模型による人工プラークの除去効果について規格撮影装置を用いたもの, さらに臨床研究では, 経週的なプラーク除去効果について比較観察を行ない以下の結果を得た。
顎模型での清掃効果では, 隣接面のプラーク除去率において, 電動歯ブラシで80%以上, 手用歯ブラシで65%以上を示し, 上下顎前歯部の近遠心面と上顎第一大臼歯の近心面を除いた全隣接面で続計的有意差が認められた(p<0.01, p<0.05) 。
臨床研究の清掃効果では, 電動歯ブラシ, 手用歯ブラシともブラッシングによる経週的清掃効果の向上は認められなかった。さらに隣接面では, 電動歯ブラシは手用歯ブラシに比べて高いプラーク除去率を示し, 隣接面において続計的有意差が認められた (p<0.01) 。