小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
解説論文
早期に見つけてフォローしよう,小児期Sjögren症候群
冨板 美奈子
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2022 年 13 巻 1 号 p. 10-15

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抄録

Sjögren症候群(SS)は,外分泌腺の障害を特徴とする全身性の自己免疫性疾患である.これまで小児にはまれと言われてきたが,実は小児期の膠原病の中で4〜5番目に患者数が多い.小児期患者は乾燥自覚症状を訴えないため,診断に至っていない例も多いと考えられる.長期予後については不明な点も多いが,長期経過で乾燥自覚症状や新たな腺外臓器障害が出現する例があること,少数ではあるが悪性リンパ腫発症の報告もあり,早期診断と長期フォローアップが必要である.「小児期シェーグレン症候群診断の手引き」が早期診断の参考となる.治療法や症状進行抑制のための早期介入については今後の課題で,そのためにも日常診療でSSを鑑別に考えて,疑わしい症例に対して検査を行い,SSの可能性のある症例を見逃さないことが重要である。

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© 2022 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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