霊長類研究 Supplement
第25回日本霊長類学会大会
セッションID: A-6-2
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口頭発表
ニホンザルにおける腰椎椎体海綿骨の加齢変化
*陳 華岳西村 剛高井 正成
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抄録
骨粗鬆症は骨強度の低下を特徴とし,骨折の危険性が増大する骨疾患である。現在わが国では,骨粗鬆症患者数は約1000万人と推定されている。男性より女性のほうが多く,加齢とともに著しく増加する。骨粗鬆症は高齢化社会の深刻な重荷となっている。骨粗鬆症の診断,治療,予防につながるような病態の解明には,実験動物を用いた研究が必須である。
マウス,ラットなどのげっ歯類ではその生理・代謝機能が必ずしもヒトのものを忠実に反映していない部分がある。そこで,霊長類を用いて,その骨量と骨の微細構造の加齢変化を調査し,ヒトと比較検討する。
3歳から26歳までのニホンザル81個体(オス38頭,メス43頭)の第3腰椎の乾燥骨標本を使用した。骨標本をマイクロCTで観察し,512×512ピクセル,スライス厚30-50 mmの条件で連続撮影した。画像解析ソフトウェアを用いて,腰椎椎体における海綿骨の三次元骨形態計測を行った。また,基準ファントムを利用して,腰椎椎体海綿骨の骨密度を測定した。
その結果,ニホンザルでは加齢による骨量の減少はヒトに比べて少ないが,海綿骨における骨梁の配列はヒトと似ていることを明らかにした。
ニホンザル腰椎椎体海綿骨の骨量と骨密度の値は3歳から9歳にかけて増大した。その後10歳から20歳にかけて有意な変化は認められなかった。20歳以上の骨量と骨密度の値はピーク時に比べ,14-15%減少した。また,骨量と骨密度に有意な性差はみられなかった。
ニホンザルにおける腰椎椎体海綿骨の微細構造はヒトに類似する。上下方向の骨梁配列はほぼまっすぐになっているが,前後,左右方向ではストレートの骨が少なく,蜂の巣のような迂回路が目立つ。これは前後,左右の非荷重方向の骨梁は荷重のかかる上下方向の骨梁の変形に伴う間接的な負荷であるため,一部の骨梁が断裂したのではないかと推測する。
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© 2009 日本霊長類学会
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