霊長類研究 Supplement
第28回日本霊長類学会大会
セッションID: A-15
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口頭発表
ニホンザルの画像情報収集システム・バイオロギングの開発
*森光 由樹
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抄録
 野生動物の行動の研究は、これまで直接観察法が主体であった。しかし、多くの野生動物は人間を忌避し、観察が困難な場合が多い。近年、無人自動撮影技術の向上により センサー付きカメラを生息地に設置することで動物観察が容易となった。しかし、センサー付きカメラは一定の箇所でしか情報を収集することができず、限界がある。そこで本研究では野生動物に超小型撮影装置を装着し、動物側から撮影し情報を収集することに着目した。動物側の目線で撮影された画像を解析することで動物の生態を解明する。ニホンザルに装着する超小型カメラの開発を実施した。小型の赤外線照明内蔵のカメラを、電源とともに防水ケースに収納し、脱落機能の付いた発信器首輪 に取り付けた。ニホンザルの行動を妨げない重量120gにした。カメラは、長時間連続録画及び静止画撮影が可能なものを選択した。超小型タイマーを取り付けて、録画時間の設定、赤外線照 明のオンオフの設定を可能とした。録画媒体は、小さく軽度で記録容量が多いSDカードを採用した。捕獲不動化したニホンザルにカメラを装着し放獣した。電波発信器を利用して脱落したカメラを回収し、動画を解析した。その結果、生息環境、採食物のデータを入手することができた。今後は、さらに長期間撮影できるバッテリーの開発が重要である。
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© 2012 日本霊長類学会
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