霊長類研究 Supplement
第35回日本霊長類学会大会
セッションID: HP04
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中高生ポスター発表
江津湖におけるコサギEgretta garzettaの生態 ~ 漁法と採食効率,就離塒行動について ~
*内田 周作卜部 友伸山形 美薫中村 芙布花塚本 樹勇 俊輔日野 耀介春日 千風
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抄録

コサギは,追い込み漁,足ゆすりなどさまざまな漁法で採食行動を行う。しかし,それぞれの漁法の採食効率に関する情報は不足している(濱尾ら 2005)。また,コサギの群れ採食については研究されているが,単独で排他的に採食を行うことについては情報が少ない(山田 1994, Nota 2003)。コサギがどんな漁法を行うのかに興味をもち,研究を行った。調査は,2018年5月に開始し,熊本市の上江津湖で行っている。2018年12月からは就離塒行動の調査も行っている。8人が2チームにわかれてコサギを観察し,ビデオカメラでの撮影と記録用紙への記入を行い,その後,撮影したデータを分析した。主にスイゼンジノリ発祥地とじゃぶじゃぶ池の2地点でコサギは多く観察された。さまざまな漁法が見られたが,両地点とも歩行型の漁を長時間行っていた。藻などの下の餌生物を追い出すとされる足ゆすりはスイゼンジノリ発祥地で多く見られた。一方,じゃぶじゃぶ池は水の流れがあり藻や水草が少なく,あまり行っていなかった。スイゼンジノリ発祥地での採食効率は,待ち伏せ型・足ゆすり有が2.6(匹/分)で最大であったが,この漁にはあまり時間を費やしていなかった。この原因を,この漁法がハイリスク・ハイリターンな漁であることを分散の大きさやアタック回数に対する成功率の低さで示した。これに対し,歩行型・足ゆすり有は1.4(匹/分)だが,分散が小さく,アタック成功率は高い確実に捕れる漁であることを示した。コサギは,確実に餌が得られる漁法を選択していると考えられる。また,足先の黄色い部分の違いにより個体識別したデータから,スイゼンジノリ発祥地ではSocksが,じゃぶじゃぶ池ではRight backが排他的に占有していることを示した。就離塒行動は,定時に行われるのではなく照度に強く影響を受けていることも示した。

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© 2019 日本霊長類学会
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