主催: 日本霊長類学会
会議名: 日本霊長類学会大会
回次: 36
開催地: オンライン開催
開催日: 2020/12/04 - 2020/12/06
ヒトをヒトたらしめる分子基盤の解明のために,ヒトと類人猿の脳内発現遺伝子の転写産物(アイソフォーム)レベルの比較解析を行い,既存の参照ゲノム配列やデータベース上の遺伝子構造モデルに依存しない手法による選択的スプライシングの多様性解析を行うとともに,ヒト特異的新規発現エキソンの同定とその生物学的意義を解明することを目的とした.ヒト,チンパンジー,ゴリラの死後脳8領域(前頭前野背外側部,下前頭回,運動前野,一次視覚野,前帯状皮質,海馬,線条体,小脳)を用いてロングリードシーケンサーを用いたIso-Seq法による完全長cDNA配列決定も行った.ヒトとチンパンジーで得た配列データを用いて解析を行ったところ,(1)完全長アイソフォームをそれぞれ66,177個,62,679個,54,544個同定し,そのうちヒトにおいては0.9%,チンパンジーでは2.6%のアイソフォームが新規アイソフォームであること,(2)ヒトおよびチンパンジーのみに発現するエクソンを持つ遺伝子がそれぞれ373個,550個存在することを明らかにした.