抄録
本論文では,火災発生時の建物内からの避難において,被災者を特定の経路に集中させず分散させることで,避難効率を向上させる誘導経路の探索手法を提案する.
本手法では,発災時の屋内被災者分布が,ある程度把握できていることを前提に,単純化した避難シミュレーションを行い,IoT センサで取得した災害状況に応じて,経路上の混雑状況を推定する.そのもとで,避難者全員が避難に要する平均時間を最小化する経路の探索を最適化問題としてとらえ,遺伝的アルゴリズム(GA) を利用する.
各種IoT センサが設置された,ホテルや大学の研究室のような間取りを持つ建物において,火災発生から短時
間の間に避難経路を求め,各室へ通知する想定のシミュレーション実験を行い,その条件下ではあるが,本手法
の有効性を確認した.