抄録
XY軸に2パスの差動式レーザ干渉計,Z軸に4パスホモダインレーザ干渉計を搭載した測長原子間力顕微鏡(差動式測長AFM)を開発している.今回本装置を用いて,一次元グレーティングの240 nmピッチ測定を行い,不確かさ評価を行った.本装置はXY軸レーザ干渉計が移動鏡中心に対称形でかつデッドパス(移動鏡側と参照鏡側の光路差)が0であるため,従来の測長AFMを用いた測定における不確かさ評価結果と比較して19要因から15要因に低減できた.差動式測長AFMと測長AFMのピッチ測定結果を比較し,測定結果の整合性を確認できた.また,差動式測長AFMを用いて100 nm未満ピッチの測定を行った.