2019 年 57 巻 2 号 p. 123-136
本研究は,保育者・小学校教諭の統一要録活用の実態を検証し,今後の要録活用の展望を見出すことを目的として,独自の統一要録を導入した佐世保市内の全乳幼児教育施設・小学校への質問紙調査を実施し,分析した。その結果,保育者と小学校教諭の要録活用の認識に齟齬があることや,活用の捉え方の違いが明らかとなった一方で,今後の活用展望として,子どもの実態把握や指導の参考のためだけでなく,子どもの育ちを長期的にみる記録として,要録の新たな役割が見出された。また,保育者は保幼小連携における活用のためだけではなく,保育者自身の保育を見直し,保育にいかす記録として要録を捉えていることが確認された。