抄録
本研究の目的は,小児病棟に勤務する保育士の専門性を文献から抽出し,「医療保育専門士」等の認定資格を有していない保育士の専門性の特徴を検討することである。文献研究により得られた6つの専門性(子どもに関わる姿勢,医療的知識・技術,他職種連携,発達支援,生活支援,専門職としての責務)について,小児科を標榜する全国の病院にアンケート調査を行い,得られた回答をt検定や分散分析により比較した。分析の結果,認定資格を有していない保育士は,「子どもに関わる姿勢」「医療的知識・技術」「他職種連携」「発達支援」の専門性を重視しており,「生活支援」や「専門職としての責務」の重視度は低いことが明らかになった。