抄録
本研究は,担当児の退所を経験した施設保育士の態度変容のプロセスを明らかにすることを目的とする。対象は担当児の退所を経験した乳児院に就業する保育士8名である。面接法にて収集したデータをM-GTAにて分析した結果,本プロセスは【揺らぎつつ担当児との生活を過ごす】【葛藤しながら担当児の退所を支える】【喪失の悲しみを抱える】【揺れ動きながら変えていく】【乳児院での養育を再定義する】【乳児院での養育を引き受ける】という過程を辿ると考えられた。施設保育士は担当児の退所によって乳児院での養育を再定義し,自身の悲哀をも抱えながら乳児院での養育を引き受けていくことが明らかとなった。