運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827
原著
する・見る・支えるスポーツ活動と主観的健康感の関連
柴田 陽介 早坂 信哉野田 龍也村田 千代栄尾島 俊之
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 13 巻 1 号 p. 44-50

詳細
抄録

目的:スポーツを「する」ことによる健康効果は多く研究がなされているが,「見る(スポーツ観戦)」「支える(スポーツボランティア)」スポーツと健康に関する研究はほとんどなされていない。本研究の目的は「する」「見る」「支える」スポーツ活動と健康の関連を明らかにすることである。

方法:スポーツライフ・データ2006を用いて,スポーツ実施,スポーツ観戦,スポーツボランティアと主観的健康感の関連を検討した。この調査では,この1年間のスポーツ活動の有無(スポーツ実施,スポーツ観戦,スポーツボランティア),主観的健康感,性,年齢,body mass index,職業,家族構成,歩行時間を尋ねている。主観的健康感(健康群=1,非健康群=0)を従属変数,スポーツ活動を独立変数としたロジスティック回帰分析を行い,オッズ比と95%信頼区間を求めた。調整因子として年齢,body mass index,職業,家族構成,歩行時間を用いた。

結果:スポーツ実施者の主観的健康感は,実施していない者と比べて,男性で2.44倍(95%信頼区間: 1.75-3.40),女性で1.88倍(1.37-2.59)高かった。スポーツ観戦者の主観的健康感も男性では2.53倍(1.78-3.59),女性では1.34倍(0.92-1.97)高かった。スポーツボランティア実施者の主観的健康感については,男性では2.03倍(1.09-3.75)高かったが,女性では1.28倍(0.60-2.72)と有意な関連は示されなかった。

結論:本研究は横断研究であるため,因果関係を証明することはできないが,スポーツを「する」ことで健康増進効果が得られるだけでなく,スポーツを「見る」ことでも「支える」ことでも健康増進効果の得られる可能性が,特に男性において示唆された。「見る」「支える」スポーツに関する研究は非常に少ないため,今後,前向き研究を含め,多くの研究がなされることが期待される。

著者関連情報
© 2011 日本運動疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top