国際的なグループは,身体活動推進対策の中心に環境・政策的な対策を据えるように推奨している。政策実行をガイドする研究が求められている。しかし,2~3の国から始まった環境と身体活動の研究は,比較的新しい研究分野である。これまでの研究成果を,明らかに異なる環境,文化をもつ国に一般化できるかどうかは分からない。初期の研究成果(主に北アメリカとオーストラリアで実施された研究)によると,walkableな地域のデザインは「身体活動を伴う移動(歩行や自転車利用)」と関係しており,公園への近くに住んでいることは「身体活動を伴う余暇活動(運動など)」と関係している。最近では,このような知見は,日本,ヨーロッパ,南アメリカなどにおける研究によっても支持されている。これまでの研究で示されていることは,「人々の活発な移動,活発な余暇活動を推進するような地域をつくるための,一般的な原則があるかもしれない」ということである。都市計画,交通,公園,教育,健康部門における意思決定・政策決定に情報提供できるような,各国に特異的な研究が必要である。また,蔓延している身体的不活動,慢性疾患の国際的な対策をガイドするような国際共同研究が必要である。
(この日本語訳は,読者の利便性を考慮して著者の許可のもとに編集委員会が作成したもので,論文の一部ではありません。日本語訳が著者の意図にあっていない可能性もありますので,正確な意味を確認するためには原文をご覧ください)