運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827
総説
環境と身体活動の変化:新しい研究の方向性
杉山 岳巳
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2012 年 14 巻 2 号 p. 118-124

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抄録

身体活動の地域レベルでの推進を図るうえで環境を用いたアプローチが有効であると考えられている。身体活動には個人,集団,環境等の異なる要因がかかわっており,エコロジカルモデルはこれらの多レベルの要因を取り込んだ介入の重要性を指摘している。本総説はこれまでの身体活動と環境に関する研究を振り返り,身体活動を実行(開始)と維持の異なる段階に分ける新しいモデルを提示している。このモデルにおいて個人,集団の要因はより実行段階にかかわっており,環境要因はより維持に貢献していると仮定することができる。今後の研究においてはどのレベルの要因が身体活動の定着へのプロセスにどのようにかかわっているかを検討することが必要である。

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© 2012 日本運動疫学会
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