運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827
原著
成人における冬季の住宅内の暖房使用と座位行動および身体活動:スマートウェルネス住宅調査による横断研究
伊藤 真紀伊香賀 俊治小熊 祐子齋藤 義信藤野 善久安藤 真太朗村上 周三スマートウェルネス住宅調査グループ
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 23 巻 1 号 p. 45-56

詳細
抄録

目的:成人を対象に,冬季の暖房使用と住宅内の座位行動および身体活動の関連を検討すること。

方法:本研究は横断研究である。調査は沖縄県を除く46都道府県の工務店等を通して募集した断熱改修工事予定のある住宅に居住する20歳以上の成人を対象に2014年度から2017年度までの冬季(11月~4月)に実施し,3,874名から同意を得た。加速度計は連続14日間の装着を依頼した。行動日誌から覚醒在宅時間帯を特定し,住宅内の座位行動と身体活動を評価した。コタツおよび脱衣所暖房使用の有無と住宅内の座位行動,身体活動との関連は目的変数を対数変換したうえで,日レベル(室温,オフセット項として覚醒在宅時加速度計装着時間等),個人レベル(年齢,BM等),世帯レベル(世帯年収,同居人数等)で調整した線形混合モデル(ランダム切片モデル)を男女別に実施した。非標準化偏回帰係数は指数変換し,目的変数への関連の程度を算出した。

結果:有効データは3,482名であった。多変量解析の結果,コタツを使用しない場合は住宅内の座位行動時間が約2%短く[男性:exp(B)=0.98p=0.022,女性:exp(B)=0.98p=0.020],その中断回数は約10%多く[男性:exp(B)=1.10p=0.001,女性:exp(B)=1.11p<0.001],身体活動も57%多かった[男性:exp(B)=1.07p=0.005,女性:exp(B)=1.05p=0.012]。脱衣所を暖房する場合も同様の関連が確認された。

結論:コタツを使用しない人,脱衣所を暖房する人は,住宅内の座位行動時間が短く,かつ頻繁に中断し,身体活動量も多かった。局所暖房を使用せず,非居室でも暖房を行い家を暖かく保つことは,住宅内の座位行動を抑制し身体活動を促進する可能性がある。

著者関連情報
© 2021 日本運動疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top