2015 年 14 巻 2 号 p. 164-167
2011年3月に発生した東日本大震災では,被災地に対し大きな経済損失等の打撃を与えた.観光目的の宿泊需要は震災前の水準に戻っておらず,そのため各主体により,東北地方の観光面での早期回復・拡大に向けた取り組みが推進されている.本研究では,2011年を中心とする5年間に東北地方東部への観光を行った人々の再来訪意向に着目する.直近の観光が震災前と後のサンプルで分け,順序プロビット・モデルにより観光地再来訪意向を説明するモデルを構築した.そして,震災の前後で観光客が観光地において魅力を感じるものの変化を捉え,環境改善による再来訪意向の上昇を定量的に把握することを試みた.