2018 年 17 巻 3 号 p. 309-316
本報告は、地方自治体の総合計画策定におけるパブリックコメントの集約に際して、ワークショップ手法を適用した実践報告である。総合計画は、自治体が策定する各計画の中でも上位に位置づけられる。そのため、総論的なテーマが多く、またその分量は非常に多い。そこで興味関心を持った政策、施策の案に得票する仕組みを援用して、議論を絞り込むことにした。そのうえで、2軸図を活用した議論の深堀りと成果物のプレゼンテーションを行った。その際のアウトプットを概観すると、極めて多様な成果が披露された。その一方で、同じ政策、施策を選んだとしても、グループのメンバー構成や興味関心、議論の展開などで、全く異なる結果もできあがった。今後、議論すべき政策テーマの抽出方法、各グループ間の情報共有の仕方に工夫が必要だが、今回の知見をベースに更なる改善を続けたい。