都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
多拠点生活プラットフォームを介した地域における拠点の場所化のプロセスに関する研究
西田 極近藤 民代室崎 千重斎藤 真奈夢
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2023 年 21 巻 4 号 p. 477-481

詳細
抄録

本研究で多拠点生活プラットフォームを介して地域において拠点が場所化されていくプロセスを明らかにし、地域計画に関する知見を導出することを目的とする。調査の結果、地域住民にとっての拠点とは、 ①多拠点生活者という地域に対し異質なものを受け入れる場所 、②拠点に立ち寄り、多拠点生活者との交流を通して価値観、知見、技術、そして地域に対する評価を享受することができる場所 、③日常的な多拠点生活者との流動的交流を通して地域住民が個人で実現し難いことを表現したり、相談することのできる居場所であることが明らかとなった。 多様な属性、志向、目的を持つ多拠点生活者が地域に訪れ、拠点管理人を介し地域と関わり、地域住民が価値観・知見・技術・地域に対する評価といった多拠点生活者による価値を享受することで拠点に対する意味の獲得・変容が促進されている。さらに拠点に入れ替わり滞在する多拠点生活者との流動的交流を通じて地域住民の表現の機会が生まれ、地域において拠点が場所化されている。

著者関連情報
© (c) 日本都市計画学会
前の記事 次の記事
feedback
Top