2005 年 3 巻 4 号 p. 92-101
近年、河川や運河、堀、水路、湖沼や海洋などの水環境を活かしたまちづくりやこれらの水辺空間の整備、再生が注目されるようになり、全国各地においてそれぞれの地域の水に関する地域特性にもとづく様々な取り組みが積極的に推進されるようになった。このような取り組みの代表例として、大河川の流域、湖沼や海洋の周辺地域などの水の豊富な地域における水郷まちづくりや、都市地域における都市河川や運河、堀を利用した水都のまちづくりが挙げられる。そこで本稿では、以上で述べた視点から、特に水郷としての地域特性と水に関連した歴史・伝統を活かしたまちづくりを合わせて行っている事例を取り上げ、その特徴について把握することを目的とする。